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アンリ=カルティエ=ブレッソン
国立近代美術館
 先月からの忙しさもようやく一段落ついたので、休日をもらって東京へ行ってきました。今回紹介するのは、竹橋の国立近代美術館で開催されている、写真家アンリ=カルティエ=ブレッソンの展覧会についてです。
 20世紀を代表する写真家の一人であるカルティエ=ブレッソンは、スナップショットの名手として知られ、僕の一番好きな写真家でもあります。スペイン内戦や中華人民共和国の誕生といった歴史的瞬間に立ち会ってきたカルティエ=ブレッソンは、スタジオ写真のような作為性を排し、被写体の内面が一番あらわになる瞬間を捉えようとしました。
 彼は最初の頃、ストリート写真を主に撮っていたのですが、1940年代半ばから作家や俳優といった人々のポートレイト写真も並行して撮るようになります。下の写真は、彫刻家ジャコメッティを被写体に撮った写真です。人間のフォルムを極端にデフォルメした彫刻で知られるジャコメッティですが、ここでは彼の姿はブレていて、一緒に撮られている彫刻の方が前景にはっきりと写っています。しかし、それでもこの写真で表現されているのは、あくまでジャコメッティの内面なのです。カルティエ=ブレッソンがシャッタースピードを落として、わざと被写体をブラしたのは、おそらくその場で何らかの直感があったのでしょう。人間が二本足で直立し歩行することの不思議さ危うさを、ジャコメッティがなぜこうしたフォルムで表現しようとしたのか、その製作過程の内面にまで迫る写真だと僕は思います。
ジャコメッティ
【2007/07/23 01:01】 | アート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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