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ドイツ旅行 絵画編
 こんばんは。テーマの最初はやっぱり絵画から。
ドイツの美術館といえば近年はベルリンが有名ですが、ミュンヘンにも素晴らしい美術館(ピナコテーク)があります。ミュンヘンはドイツ有数の王国であったバイエルン王国の首都でしたから、その財力で結構良い作品を集めています。
さてドイツの画家といわれて、皆さんは誰が思い浮かぶのでしょうか?僕はゲルハルト・リヒターくらいしか思い浮かばなかったのですが、肝心なこの人を忘れてました…。ピナコテークで「おい、俺のこと忘れていただろ」という感じで睨まれました。
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 はい、デューラーです(^^;)表情は優しい感じですが、一方で容易には屈しない意志の強さを感じる自画像ですね。襟元の毛皮の質感の出し方がとてもリアルで、ただものじゃない画力を感じました。あととても良い顔料を使っていましたね。とりわけ『四人の使徒』のバーミリオンの発色は素晴らしかったです。『自画像』も良かったのですが、僕的にはこちらの方が印象に残りました。
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 デューラーがニュルンベルク出身だったということは今回初めて知ったのですが、ニュルンベルク市内にはデューラーの晩年の家が記念館として残っていて、街にも銅像が見られました。デューラーさん、忘れててごめんなさい(苦笑)
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(デューラーが晩年の20年近くを過ごした家)
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(ニュルンベルクのデューラー像)
 ピナコテークでは半日ほど過ごしたのですが、その中でも一番印象に残ったのはブリューゲル(父)の『怠け者の天国』です。元々好きな作家ではあるのですが、やはりその世界観は最高です。
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 きっと楽しい宴の後ですね。右下の男の人なんか、食い過ぎたぁという感じでベルトを緩めています。ブリューゲルの絵の登場人物は本当に生活感豊かに表現されているので、じっと細部まで見ていても全く見飽きない絵です。そして所々に遊び心があり、例えば中央下側のナイフの突き刺さった卵に足が生えていたり、右側にはブタの丸焼きが走り出していたりと、実にアナーキーです。絵画的な空間処理という点からも、中央上部の傾いたテーブルに食べ物が転がり出さずに載っている様子などは、セザンヌの先駆けといってもいいのではないでしょうか。
と、少々熱くなって書いてしまいましたが、ミュンヘンに行く機会があれば是非立ち寄ってみると良い場所かと思います。しかも日曜日にはなんと1ユーロで入場できます!(平日は7ユーロ、平日の方が高いという不思議)
 それではまた次回。
【2014/06/17 00:45】 | ドイツ | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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