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ロシアへ(その10)
 10月18日(7日目)

 この日の朝起きてカーテンを開けた時に、僕らはとても驚きました。なんとロシアに来て始めて晴れの日です。それも雲一つない快晴。ロシアの曇天に慣れきってしまった僕らは、あまりの天気の良さにどうも気持ちが落ち着きません。そんな中、まずは赤の広場の中央にあるレーニン廟へ。ここの手荷物検査の厳しさは事前に聞いていたので、財布以外の荷物はホテルに置いてきたつもりが、突然の晴天に動揺したのか、気がつくとなぜかポケットの中には携帯電話が(苦笑)案の定、検査で引っかかり、手荷物預かり所で預かってもらえと強面の係員に言われ、仕方なく預かり所に携帯電話を預け、再びボディチェックを受け入場しました。なぜこれほどまでに厳しいチェックが行われるかというと、このレーニン廟にはあのレーニン本人の遺体が一般公開されているからなのです。防腐処理を施されたレーニンの遺体、つまりはレーニンの剥製がこうして社会主義国ソ連の時代が終わった今も、一般に公開されているというのは、僕にはとても奇妙なことのよう思えるのですが、ロシア人の中ではあまり矛盾がないようで、一般公開はこれからも続いていくようです。
 レーニン廟の内部は薄暗く、大柄な警備員が無表情のまま、見学者が何か不審な動きをしないように各所で目を光らせています。その威圧感たるや相当なもので、後で聞いたところ、嫁は完全にビビりまくっていたそうです。角を数ヶ所曲がるとレーニンの遺体の安置所に到着しました。やや遠目から見たレーニンは確かに本で見るあのレーニンそのものでしたが、そのあまりの色つやの良さに、まるで3Dホログラムか何かではないかと思わせるほど、その遺体には現実感がありませんでした。もうちょっとゆっくり見たいものの、遺体の周りには怖い顔をした警備員が数人、どう考えてもゆっくり立ち止まれる雰囲気ではありません。そこに後からやってきた欧米人の夫婦、この異様なまでの緊張感のある雰囲気が全くわかっていないのか、部屋に入ってくると早速コソコソ話を始めてしまいました。すぐさま警備員が一喝。あっという間にその場に静寂が戻りました。僕らもそそくさと退散。外へ出てようやく一息つけました。ロシアに来て以来ほとんど感じることはなかったのですが、レーニン廟は間違いなくかつての「ソ連」を感じることのできる場所でした。

聖ワシリー寺院

 相変わらず外は良い天気。これはロシアの教会では一番有名な聖ワシリー寺院です。赤の広場の真正面に位置するこの教会は16世紀に皇帝イワン4世の命令によって建てられ、そのあまりの美しさに驚いた皇帝が、二度と同じものが作られないよう、設計した2人の目をくり抜いてしまったという恐ろしい逸話が伝わっています。確かに外部はとても美しいのですが、宗教が制限されたソ連時代に放置されていたためでしょうか、内部の壁画等はあまり状態は良くありませんでした。聖ワシリー寺院を出た後、モスクワ川沿いにクレムリンの周辺を歩いてみました。

クレムリン

 ロシア語で城塞を意味するクレムリンの名の通り、その周囲は高い壁で囲われています。昔も今もここは政治の中心として君臨してきました。このクレムリンの中へは入場券を買って入ることができます。またしても厳重なチェックを受けて入っていき、しばらく歩いていくと大統領官邸が見えます。

ロシア大統領府

 遠くで警備員がじっと僕らの方を見ていました。ここでメドベージェフ大統領が執務をしています。当然ですが、観光客がこれ以上近づくことはできません。まあやってできないこともないのでしょうが、命の保証はないでしょう(汗)
 またクレムリンの中には歴代皇帝によって建てられた教会もいくつかあり、そちらは見学が可能です。内部の状態も聖ワシリー寺院よりは良好な状態でした。クレムリンを出た後は、地下鉄で雀ヶ丘へ。ここはトルストイの「戦争と平和」も描かれていましたが、かつてナポレオンがモスクワ市街を眺めた場所として有名です。地下鉄の駅を降りて、森の中の遊歩道を15分くらい歩くと雀ヶ丘です。時刻は4時半になって、やや肌寒く鳴ってきました。

雀が丘

 本当はもっと雄大な眺めなんですが、どうも写真だとその景色の良さが伝わりづらいですね。真正面に見えるのはモスクワのサッカーチーム、CSKAモスクワのルジニキ・スタジアムです。今回、サッカー観戦の方は日程がうまくいかず断念。残念。
 モスクワ市街へ帰って夕食は中華料理「ドレーヴニィ・キタイ」へ。その店、中華といってもなぜか寿司も扱っていました(笑)現在、ロシアは空前の日本食ブームのようで、寿司もないと採算がとれないのでしょうかね。食事は棒々鶏、卵とトマトのスープ、炒飯、白身魚と野菜炒め、飲み物にビール、最後はジャスミン茶と胡麻団子をいただいて料金は1人3000円ほどと非常にリーズナブルでしたが、味の方もとても美味しく大当たりの店でした。
【2009/12/11 01:18】 | ロシア | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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