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ポップアート展
ポップアート展

 現在、松本市美術館で開催中のポップアート展に行ってきました。雨だったせいか館内はお客さんも少なく、ゆっくり見ることができました。
 この美術展はウォーホールやリキテンシュタインといった、1960年代から現代までのアメリカの現代美術の作品を集めたものです。展示作品は上の画像のようなシルクスクリーン版画や、アクリル絵具による抽象絵画が多いせいか、以前に画集で見たものを実際に見て、作品の印象ががらりと変わることはあまりありませんでした。そうした点からすると、この美術展の見所はおそらく、一点一点の作品というよりはむしろ、全ての展示作品を見ることによって、アメリカ現代美術全体のムーブメントを一望することができることではないでしょうか。
 1960年代のアメリカを席巻した猥雑なポップアートが食傷気味になってくると、今度は極限まで無駄を削ぎ落としたミニマル・アートが流行し、その不毛さに耐えられなくなってくると、今度は一見落書きのようにも見える新表現主義の作家が台頭するというように、アメリカ美術が猥雑と静謐の間を行ったり来たりしていたことが、この美術展を見るとよくわかります。
 では現在は?ということになると、この美術展でも展示していたマリーナ・カポスや、故人ですが日本の石田徹也のように、社会に対するユーモアや不安といった、画面から何らかの物語を感じることのできる、ストーリー性豊かな絵が中心となっていくのではないか、と個人的には思っています。
【2008/07/09 22:45】 | アート | トラックバック(0) | コメント(0) | page top↑
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